リージェンシーコア

リージェンシーコアのコーディネート例 ファッションテイスト・カルチャー
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リージェンシーコアとは、胸下で切り替えるエンパイアライン、パフスリーブ、淡色、花柄、レースなどを使い、19世紀初頭の英国社交界を思わせる装いを現代服へ落とし込むファッションスタイルのことです。

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摂政時代のドレスを現代の服へ置き換える

リージェンシーコアとは?

リージェンシーコアは、英国のリージェンシー期を思わせる服装や室内装飾、社交文化を、2020年代の「core」系 aesthetic として再解釈したスタイルです。

服装では、胸のすぐ下でウエストを切り替えるエンパイアライン、スクエアネック、パフスリーブ、ロング丈のドレス、細かな花柄、刺繍、パールなどが代表的です。白、アイボリー、サックス、淡いピンク、ラベンダーなど、明るく柔らかな配色が多く使われます。

ただし、実際のリージェンシー期の服を忠実に復元する歴史衣装とは異なります。当時のドレスをそのまま着るのではなく、エンパイア切り替えのワンピース、袖に膨らみのあるブラウス、細身のパンプスなどへ特徴を分解し、日常着として組み直します。

添付データでも、リージェンシーコアは「摂政時代風のドレス感を日常に落とすスタイル」と整理され、2020年代に広がり、現在も通用するテイストとされています。

歴史上のリージェンシー服とは同じではない

英国史でいうリージェンシーは、狭義には1811年から1820年の摂政時代を指しますが、服飾史ではその前後を含む19世紀初頭のスタイルを説明する際にも使われます。

当時の女性服では、自然な腰位置より高い位置で切り替えるドレス、軽いモスリン、長いスカート、ショール、ボンネットなどが重要でした。V&Aもリージェンシー期の服装を、ガウン、下着、靴、アクセサリー、モスリンなどを含む一つの歴史的な衣装体系として扱っています。

一方、リージェンシーコアでは史実の正確さより、現代から見た「摂政時代らしいロマンティックさ」が優先されます。実際の時代には存在しなかった強いパステルカラー、大量のチュール、現代的なコルセット風ディテールなどが加わることもあります。

そのため、エンパイアラインだけでなく、パール、花刺繍、リボン、華奢な靴などを組み合わせ、19世紀初頭の上流階級や舞踏会を連想できることが見分ける基準になります。

『ブリジャートン家』が2020年代の流行を決定づけた

リージェンシー期そのものの服装は約200年前のものですが、「Regencycore」という現在の名称が広まったのは2020年代です。

大きなきっかけとなったのが、2020年12月に配信されたNetflixドラマ『ブリジャートン家』です。作品では1813年のロンドンを舞台に、エンパイアラインのドレスを基本としながら、パステルカラー、花柄、パフスリーブ、宝石、チュールなどを大胆に加えた幻想的な衣装が使われました。

放送後にはコルセット、エンパイアウエストドレス、パールや羽根のヘッドバンドなどへの検索が増加し、「Regencycore」という名称がTikTokなどで拡散しました。Vogue Businessも、同作によってRegencycoreがSNS上のトレンドになったと報じています。

最盛期は、シリーズ第1シーズンの影響が強かった2021年から、第2シーズンが話題となった2022年頃です。2024年にも第3シーズンをきっかけとした再浮上が予測されるなど、作品の公開時期に合わせて周期的に関心が戻る特徴があります。

近いテイストとの違いとつながり

ロイヤルコア

ロイヤルコアのコーディネート例

ロイヤルコアは、王室、宮殿、宝飾、格式あるドレスなどを幅広く取り入れ、身分の高い人物を思わせる華やかさを表すスタイルです。リージェンシーコアも王侯貴族の世界観と接点がありますが、時代を19世紀初頭の英国へ絞る点が異なります。ロイヤルコアではティアラ、ベルベット、金刺繍など時代を横断した豪華な要素を使えますが、リージェンシーコアではエンパイアライン、軽い生地、パフスリーブなど、摂政時代特有の形が中心です。

プリンセスコア

プリンセスコアのコーディネート例

プリンセスコアは、ティアラ、チュール、リボン、パステルカラーなどを使い、おとぎ話の姫を思わせる幻想的なスタイルです。甘く華やかなドレス感はリージェンシーコアと共通します。ただし、プリンセスコアは歴史上の特定時代を必要とせず、ボリュームの大きいスカートや現代的なミニドレスも含みます。リージェンシーコアでは胸下の切り替えや縦に落ちるスカートなど、19世紀初頭を示すシルエットが重要です。

ロマンティックファッション

ロマンティックファッションのコーディネート例

ロマンティックファッションは、レース、花柄、柔らかなドレープ、淡色などを使い、夢のある女性らしさを表す広いスタイルです。リージェンシーコアはその要素を多く共有しますが、単に甘い服を着るだけでは成立しません。胸下切り替え、スクエアネック、パフスリーブなどを組み合わせ、英国リージェンシー期を想起させることが必要です。ロマンティックが時代を問わない雰囲気の分類であるのに対し、リージェンシーコアは歴史的参照元が明確です。

コテージコア

コテージコアのコーディネート例

コテージコアは、田園生活を理想化し、花柄ワンピース、コットン、レース、パフスリーブなどを使うスタイルです。リージェンシーコアと共有する服が多く、2020年代のロマンティックなaestheticとして近接しています。ただし、コテージコアでは素朴な農村生活、手仕事、自然素材が中心です。リージェンシーコアでは社交界、舞踏会、邸宅を思わせる仕立てや装飾を加え、田園の素朴さより優雅な社交性を強めます。

スウィートフェミニン

スウィートフェミニンのコーディネート例

スウィートフェミニンは、淡色、花柄、柔らかなブラウスやスカートを使い、甘く穏やかな女性らしさを表すスタイルです。リージェンシーコアの日常化した服装とは外見が重なることがあります。ただし、スウィートフェミニンでは現代的なウエスト位置や通常のフレアスカートでも成立します。リージェンシーコアでは、胸下の切り替え、袖の膨らみ、スクエアネックなど、歴史的ドレスを連想させる形が残っていることが違いです。

フレンチガーリー

フレンチガーリーのコーディネート例

フレンチガーリーは、リボン、フリル、モノトーン、ミニ丈などを使い、フランス風の甘く洗練された少女的な装いを表します。パフスリーブやリボンはリージェンシーコアとも共通しますが、フレンチガーリーはミニワンピースやコンパクトなシルエットも多く、19世紀初頭の服装を参照しません。リージェンシーコアではロング丈、胸下切り替え、軽いドレス素材を使い、より歴史的で優雅な方向へまとめます。

リージェンシー期を連想させる服とディテール

胸下で切り替えるエンパイアライン

バストのすぐ下に切り替えを置き、そこから裾まで布を縦に落とします。

通常のウエスト位置を強調するフィット&フレアとは異なり、脚を長く見せながら、身体を強く締め付けない細長いシルエットを作ることが重要です。

スクエアネックとパフスリーブ

首元はスクエアネックや横に広いネックラインを使い、鎖骨まわりを明るく見せます。

袖には肩や上腕へ膨らみを持たせ、肘下は細くするか、短いパフスリーブでまとめます。胸元と袖の形だけでも、現代的なワンピースとの差が出ます。

薄く軽いドレス素材

コットン、モスリン風素材、シフォン、オーガンジー、軽いサテンなどを使い、スカートを硬く広げず縦方向へ落とします。

現在の服では透けを防ぐ裏地を加えつつ、表地に軽さを残すことで、歴史衣装の雰囲気と日常性を両立できます。

淡色と小さな花柄

アイボリー、淡いブルー、ピンク、ラベンダー、セージグリーンなどを中心にします。

花柄は大きなトロピカル柄より、小花、植物刺繍、細かなボタニカル柄が適しています。白地へ淡い色を重ねることで、重厚な宮廷服ではなくリージェンシー期の軽やかさを表します。

パールと繊細な装飾

パールネックレス、小さなイヤリング、リボン、刺繍、細い手袋などを加えます。

装飾は大きな王冠や重い宝石より、小さく繊細なものを重ねます。華やかさを強めすぎるとロイヤルコアへ近づくため、ドレスの軽さを損なわない範囲に抑えます。

特徴が伝わりやすい代表的な着こなし

エンパイアワンピースとパール

淡いブルーのエンパイアラインワンピースに、スクエアネックと短いパフスリーブを組み合わせます。生地は軽いジョーゼットやコットンとし、裾は足首付近まで縦に落とします。

小粒のパールネックレス、アイボリーのフラットシューズ、小型バッグを合わせることで、歴史衣装へ寄りすぎない基本的なリージェンシーコアになります。

パフスリーブブラウスとロングスカート

白いスクエアネックのパフスリーブブラウスに、淡いセージグリーンのハイウエストロングスカートを合わせます。

切り替え位置を通常より高く見せ、スカートは広げすぎず縦に落とします。日常着の上下分かれた服でも、首元、袖、腰位置をそろえることでリージェンシー期のドレス感を表せます。

花柄ドレスと短いカーディガン

アイボリー地の小花柄ロングドレスに、胸下付近で止まる短いカーディガンを重ねます。

足元には華奢なパンプスまたはフラットシューズを選び、髪には細いリボンを加えます。コテージコアへ寄りすぎないよう、バッグやアクセサリーには少量のパールやサテンを使い、社交着らしい上品さを残します。

現在は『ブリジャートン家』以後の歴史系aestheticとして残る

リージェンシーコアは、2020年代に生まれた比較的新しい名称で、現在も意味が通じるファッションaestheticです。添付データでも、2020年代に流行し、現在も通用するスタイルとして整理されています。

ただし、2021年から2022年頃の最盛期のように、単独で大きな新トレンドとして扱われる機会は減っています。

現在は、ロイヤルコア、プリンセスコア、コケット、ロマンティック系など、歴史や幻想性を取り入れる複数のaestheticと並ぶ選択肢の一つとして使われています。

『ブリジャートン家』の新シーズン公開時には再び注目される傾向があり、2024年にもリージェンシーコアの再浮上がファッション業界で予測されました。

服装の特徴自体も残っています。エンパイアウエスト、パフスリーブ、スクエアネック、花刺繍などは、リージェンシーコアという名称を使わない一般的なワンピースにも取り入れられています。

そのため現在は、常時大流行している名称というより、19世紀初頭の英国を明確に参照したいときに使われる歴史系マイクロトレンドとして位置づけるのが適切です。

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