素材別衣類の洗い方

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法は?

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法

クリーニング店や自宅の洗濯機で見るドライクリーニング。

一般的には油汚れに強い選択の方法と知られていますが、実際にクリーニング工場ではどのような工程でドライクリーニングを行っているのでしょうか?

また、通常の衣類でもドライクリーニングを選択すべきシーンは、どのような状況なのでしょうか。

ドライクリーニングについて、ご説明します。

ドライクリーニングとは?

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法

ドライクリーニングとは、水を使用しないで衣類を洗浄する方法で、代わりに有機溶剤のみを使用します。

油汚れや染みがよく落ち、型崩れしにくいクリーニング方法です。

ドライクリーニングは、水や通常の洗濯方法によって縮んだり傷んだりする可能性のあるデリケートな素材や衣類の洗浄に特に有効です。

通常の水洗いと異なる点としては、ドライクリーニングは有機溶剤のみを使用するのに対し、水洗いは洗剤と水で洗う方法です。

水ですので、水溶性の汚れは水洗いを選択することが多いです。

ドライクリーニングに適した素材

ライクリーニングに適した衣類の素材は、主に水洗いによってダメージを受けやすい繊細なものや、高級素材が中心です。

以下に代表的な素材とその理由をリストアップします。

1. ウール

ウールは水洗いで縮んだり、型崩れしやすい素材です。

ドライクリーニングなら、繊維を傷めずに汚れを落とせます。

2. カシミヤ

非常に繊細で柔らかな高級素材で、水洗いすると毛羽立ちや縮み、変形の原因になります。

ドライクリーニングが適切です。

3. シルク

水に弱く、色落ちや縮みが発生しやすいです。

また、摩擦にも弱いため、優しく扱うドライクリーニングが推奨されます。

4. レーヨン

水に濡れると強度が低下し、型崩れやシワになりやすいため、ドライクリーニングが適しています。

5. リネン

理由:水洗いでシワができやすく、型崩れもしやすいため、特に高級リネンはドライクリーニングが望ましいです。

6. ポリエステルブレンド

ポリエステル単体は水洗い可能ですが、ウールやシルクなどの天然素材と混紡されている場合はドライクリーニングが安全です。

7. アルパカ

柔らかく高級な繊維で、水洗いすると縮みやすいため、ドライクリーニングが適しています。

8. ビスコース

非常に吸湿性が高く、水に濡れると変形しやすい素材。

ドライクリーニングなら型崩れを防げます。

9. モヘア

水洗いすると繊維が絡まりやすく、風合いが損なわれる恐れがあるため、ドライクリーニングが推奨されます。

10. スエード

水に弱く、シミや色落ちのリスクが高いため、専用のドライクリーニングが必要です。

なぜドライクリーニングが適しているのか?

  • 水による繊維の変形や縮みを防げる。
  • 高級素材の質感や柔らかさをキープできる。
  • 色のにじみや色落ちを抑えることが可能。

注意点

すべての衣類に「洗濯表示タグ」が付いているため、必ず確認しましょう。

「ドライクリーニング禁止」と記載がある場合は、専門のクリーニング業者に相談が必要です。

ドライクリーニングの工程

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ドライクリーニングは、衣類の寿命を延ばし、特に水や通常の洗剤に弱い素材を保護するために推奨されることがよくあります。

クリーニング工場で行われるドライクリーニングの工程を簡単に見ていきましょう。

洗濯表示の確認と前処理

洗濯表示を確認し、ドライクリーニングに適した衣類の準備をします。

クリーニング前に、衣類に付いた汚れやシミがチェックし、必要に応じて特別な処理が施されます。

ドライクリーニング

衣類はドライクリーニング機に入れられ、有機溶剤とともにドラムの中で回されます。

溶剤は汚れや油をよく取り除きます。

ドライクリーニングは高い温度を加えず、有機溶剤のみで洗浄します。

残ったシミや汚れがある場合は、特別な溶剤や装置を使用して取り除かれます。

乾燥と仕上げ

洗浄された衣類は乾燥機で乾燥させ、プレス、整形、スチーム処理され、元の形状に戻され、返却準備に移行します。

ドライクリーニングにもある、いくつかのメリットとデメリット

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法

しっかり油汚れやシミを落とすことができ、衣類へのダメージを軽減できるドライクリーニングですが、少なからずデメリットも存在します。

メリットとデメリットについて分析してみましょう。

また、これらを照らし合わせ、自分にとって良い費用対効果を生み出せるかを検討して、ドライクリーニングを選択しましょう。

メリット① デリケートな素材の保護

ドライクリーニングは、シルクやウールのようなデリケートな素材を扱う際に特に有用です。

これらの素材は水分と熱に弱いため、通常の洗濯では縮んだり傷んだりする可能性があります。

特にシルクのような高級素材の場合、非常に繊細な扱いが必要となる場合が多いため、ドライクリーニングを選択することがほとんどです。

その他の衣類に関しても、生地へのダメージを減らす意味合いとしては、ドライクリーニングは有用な洗濯方法です。

メリット② 効果的な汚れ除去

ドライクリーニングの溶剤は油性の汚れやシミを効果的に取り除くことができます。

油性汚れは水と洗剤を使用した洗濯では困難です。

メリット③ 衣類の長持ち

ドライクリーニングは布地に優しいため、衣類の寿命を延ばすのに役立ちます。

特に、頻繁に着用するアイテムや高価なアイテムには適しています。

愛着がある衣類をクリーニングに出す場合、ドライクリーニングを選択することによって良い状態をキープさせることが可能です。

メリット④ しわの除去

ドライクリーニングの工程には、衣類を仕上げるためのプレスが含まれているため、アイテムはしわが少なく、整っている状態で返されます。

しわになりやすいアイテムをクリーニングに出す際も選択肢として考えておくとよいでしょう。

デメリット① 化学物質の使用

伝統的なドライクリーニングでは有機溶剤が使用され、これらは人体や環境に対して有害である可能性があります。

特にパーキロエチレンという化学物質は、長期間にわたる露出が健康問題を引き起こす可能性があります。

昨今では、環境に配慮された有機溶剤の開発も行われているようです。

デメリット② コストが高い

ドライクリーニングは自宅での洗濯に比べてコストがかかります。

特に大量の衣類や頻繁にクリーニングを利用する場合、コストはかなり高くなる可能性があります。

デメリット③ 合わない繊維へのダメージリスク

全ての繊維がドライクリーニングに適しているわけではありません。

一部の繊維は、使用される化学物質によって損傷を受ける可能性があります。

この辺りはプロのクリーニング技術者はよくわかっているはずなので、お任せしておけば安心かと思います。

ドライクリーニングは家庭でもできる?

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法

家庭でドライクリーニングをする方法は、一応あります。

が、プロのドライクリーニングサービスと全く同じ結果を得ることは難しいです。

洗濯機にドライクリーニングの機能が付いている場合、専用の洗剤やドライクリーニングキットを購入するだけで家庭でもドライクリーニングは可能です。

専門のドライクリーニング店では、特殊な化学溶剤と大規模な機械を使用して衣類を洗浄しますが、家庭でこれらを完全に再現することは不可能です。

特に酷い油汚れ等は、専門知識が豊富なクリーニング店にお任せした方が良いでしょう。

通常、水洗いする衣類に対し、ドライクリーニングすることによるメリットは?

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法

水洗い可能な衣類をドライクリーニングすることは可能で、メリットもあります。

色や形の保持が可能

ドライクリーニングは通常、色落ちや形の崩れを防ぐのに役立ちます。

特に色鮮やかな衣類やデリケートな繊維でできた衣類に有効です。

縮みのリスク低減やデリケートな素材の洗浄が可能

水洗いに比べて縮みにくいため、特にウールやシルクなどの天然繊維でできた衣類に適しています。

レースや刺繍が施された衣類など、デリケートな素材やデザインを傷めることなく洗浄できます。

汚れや匂いの除去効率がUP

強い匂いは、ドライクリーニングの方が効果的に除去できることがあります。

洗濯機の性能による部分が大きいです。

メリットとデメリットを上手く活用して

ドライクリーニングとは?メリットとデメリット、自宅でできる方法

衣類によってはドライクリーニングが合わないこともあり得ます。

洗濯表示を確認し、適しているかどうかを判断してください。

家庭用洗濯機のドライクリーニング機能は、プロのドライクリーニングサービスと比べて効果が低い場合があります。

通常の水洗いが適している衣類をドライクリーニングする際には、これらのメリットとデメリットを慎重に考慮してください。

ドライクリーニングは水洗いに代わるものではなく、衣類の種類や汚れの程度によって選択するのがおすすめです。

また、強烈な汚れは、自宅で頑張るよりもクリーニング店にお任せするのが良いです。

お気に入りの服であれば、なおさらです。

好きな服はいつまでもキレイで長持ちさせて着用したいですね。

  • この記事を書いた人
Mina

Mina

ライフスタイルに関する情報を発信するのが仕事の30代主婦。 趣味が洗濯の2児の母。

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