なかなか落とすことができない衣類の頑固な汚れに対し、漂白剤を使って落とそうと考える方も多いと思います。
汚れや臭いに対し、漂白剤は強力な効果を発揮していることは誰もが知ることですが、漂白剤のその他の役割や種類があることはあまり知らないという方もいます。
漂白剤の役割や種類、使い方や落とせない汚れなどを一通りまとめましたので、是非参考にしてみて下さい。
Contents
漂白剤の役割
衣類に付着した汚れやしみを落とすために使用されます。
漂白剤に含まれる化学物質が汚れや染料と反応し、溶解または分解して取り除きます。
特に白い衣類に使われることが多く、衣類を白く保つか、黄ばみやくすみを取り除いて白さを回復させます。
光を反射する衣類の能力を高めることで驚きの白さが実現されます。
色あせした衣類に対して、色を鮮やかに見せる効果がありますが、色に直接作用するのではなく、色の上にある不純物や汚れを取り除くことで、元の色がよみがえるようにするものです。
漂白剤には消臭効果もあり、汗や体臭、その他の不快な臭いの元となる細菌や微生物を除去し、臭いを衣類から取り除くのに役立ちます。
衣類を洗浄するだけでなく、漂白剤には消毒作用もあります。
特に塩素系漂白剤に当てはまり、衣類に残るバクテリアやウイルスを殺菌する効果があります。
酸素系漂白剤は色物の衣類にも安全に使用でき、色落ちを防ぎながら汚れを落とすことができます。
漂白剤は、衣類の見た目を向上させるだけでなく、衛生的にもメリットをもたらします。
ただし、漂白剤は強力な化学物質であるため、使用には適切な注意が必要です。
衣類の材質や色、洗濯表示を確認し、指示に従って正しく使用することが重要です。
漂白剤の種類
漂白剤には大きく分けて、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の2種類があります。
塩素系漂白剤は非常に強力で、しつこい汚れや菌を除去する能力がありますが、色物には使用できません。
一方、酸素系漂白剤は色物にも安全で、環境に優しいとされていますが、塩素系に比べて漂白力は穏やかです。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、色素を分解する能力が非常に高いため、特に白い衣類の黄ばみやしみを除去するのに非常に効果的です。
また、その強い酸化作用により、細菌、ウイルス、カビなどの微生物を殺す効果があります。
塩素系漂白剤は強い酸化作用で臭いの原因となる有機物や細菌を分解することで、臭いを消す効果があります。
シミの除去や防臭、殺菌効果が非常に高い一方で、使用できる衣類には制限があります。
塩素系漂白剤は色落ちや柄が褪せる・繊維を傷める原因となるため、衣類やデリケートな素材には使用できません。
色物やプリント物には、色を保護する酸素系漂白剤を使用することが推奨されます。
他の家庭用洗剤や特に酸性の物質と混合すると有害なガスを発生することがあるため、使用時には他の製品との混合は避ける必要があります。
使用する際には、製品の指示に従い、適量を正しく使用することが大切です。
使用後は手や衣類に残らないように十分にすすぎ、直接肌に触れることがないように注意する必要があります。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は、衣類の洗濯においてより安全で環境に優しい漂白剤として多く利用されています。
多用途性が高く、衣類だけでなく、キッチン用品の洗浄やお風呂の掃除など、広範囲で使用することができます。
塩素系漂白剤と比較して色あせや色落ちのリスクが低く、色物や柄物の衣類にも安全に使用できます。
酸素系漂白剤の主成分は過酸化水素または過炭酸塩であり、使用後に水と酸素に分解されるため、環境への影響が少ないのも特徴の一つです。
汚れや染みを酸化し、分解することで効果的に除去し、衣類の白さを回復させる効果もあります。
酸素系漂白剤は、臭いの原因となる有機物を酸化分解することで、消臭効果を発揮します。
温水で使用することでより高い漂白効果を発揮するため、適度に温度が高いほど、酸素の放出が活性化し、漂白効果が向上します。
塩素系漂白剤と比較して、酸素系漂白剤は肌に対する刺激が少なく、安全性が高いです。
濃度が高い場合には皮膚や目に刺激を与える可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
酸素系漂白剤は安全性は高いですが、使用する際には製品の指示に従い、適切な濃度と温度で使用しましょう。
特定の素材やデリケートな衣類には使用しないことを推奨される場合もあるため、衣類の洗濯表示を確認しましょう。
漂白剤が使える汚れの種類
漂白剤は食品のしみ、血液、汗、土などの有機的な汚れに効果的です。
塩素系漂白剤は特にカビや菌類に対しても有効であり、これらの汚れを分解する能力があります。
- 食べ物や飲み物の汚れ:コーヒー、紅茶、果汁、ソース、カレーなど
- 血液や体液の汚れ:血液や汗、その他の体液による汚れ
- 草や泥汚れ:スポーツやアウトドア活動で付着した草や泥の汚れ
- カビや黄ばみ:保管中の衣類に発生したカビや黄ばみ
- 汗染みや制汗剤の跡:汗染みやデオドラント、制汗剤による黄色い跡
- 化粧品の汚れ:ファンデーションや口紅などの化粧品による汚れ
漂白剤が使えない衣類の種類
一般的に、絹やウールなどのデリケートな天然繊維や、色が落ちやすい色物、特に暗色や鮮やかな色の衣類は漂白剤を使用するべきではありません。
また、漂白剤の使用が推奨されない衣類には、その旨が洗濯表示に記されていることが多いです。
- 色物の衣類(特に塩素系漂白剤の場合):塩素系漂白剤は色落ちや色あせを引き起こす可能性が高いため
- デリケートな素材の衣類:シルク、ウール、レザー、モヘア、カシミアなどのデリケートな素材
- 特殊加工された衣類:防水加工、防汚加工、炎防止加工など、特殊な加工が施された衣類
- 印刷や装飾が施された衣類:プリントや刺繍、ビーズ、ラインストーンなどの装飾が施された衣類
- 深い色の衣類:濃い色の衣類、特に黒や濃紺など
- 特定の洗濯表示がある衣類:漂白剤使用不可(「三角形に×印」)と表示されている衣類
漂白剤の手洗いでの使い方
手洗いの際に漂白剤を使用する場合は、まず指示された量の漂白剤を適量の水に溶かして漂白液を作ります。
衣類を漬け込み、指定された時間だけそこに浸けておきます。
時間が経過したら、衣類をよくすすぎ、通常どおり洗濯を行います。
漂白剤の洗濯機での使い方
洗濯機を使用する際には、漂白剤を洗濯機の指定された漂白剤用の投入口に入れます。
多くの洗濯機には塩素系と酸素系の漂白剤用に分けられた投入口があり、使用する漂白剤の種類に応じて適切な投入口を使用します。
通常の洗濯プログラムを選択して洗濯を開始します。
漂白剤を使用する際の注意点
漂白剤を使用する際には、衣類の材質と漂白剤の種類をよく確認し、指示に従って正しく使用することが重要です。
塩素系漂白剤は他の洗剤や特に酸と反応して有害なガスを発生させる可能性があるため、混ぜることは避けなければなりません。
また、漂白剤を使用する際は換気を良くすることも大切です。
手洗いをする際は、ゴム手袋を着用しましょう。
漂白剤でも落とせない汚れ
漂白剤は多くの汚れに効果的ですが、全ての汚れを落とすわけではありません。特に以下のような汚れは漂白剤では落とすことが難しいことが多いです:
油性の汚れ
油、グリース、化粧品など油性の汚れは漂白剤よりも洗剤が適しています。
これらの汚れは漂白剤で漂白することはできますが、根本的な汚れの除去にはなりません。
固着した汚れ
長期間放置された汚れや、繊維の奥深くに入り込んだ汚れは漂白剤だけでは落ちにくいです。
特に古い血液や食べ物の汚れ、泥汚れなどが該当します。
特定の色素による汚れ
一部の食品色素やインク、花粉など、特定の色素による汚れは漂白剤では除去が困難なことがあります。
これらは色素そのものが繊維に強く結合しているため、特別な処理が必要になる場合があります。
錆や金属による汚れ
錆や金属製品からの汚れは、漂白剤ではなく特定の金属専用のクリーナーを使用する必要があります。
一部の生物由来の汚れ
汗や尿などの生物由来の汚れは、漂白剤ではなく酵素入りの洗剤を使用する方が効果的な場合があります。
接着剤や樹脂による汚れ
ステッカーやテープ、樹脂などの粘着性の汚れは、漂白剤よりも溶剤や特定の除去剤が必要です。
漂白剤は色や汚れを褪せさせる効果がありますが、すべてのタイプの汚れに対して万能ではないため、汚れの種類に応じて適切な洗剤や処理方法を選びましょう。
また、汚れが頑固な場合は、専門のクリーニングサービスに相談することも検討してください。
どうしても落とせない汚れは宅配クリーニングにお任せ
宅配クリーニングのサービスは、衣類だけじゃなく布団やカーテン、絨毯、革製品からアウトドア用品やぬいぐるみにまで至ります。
店舗によりサービス内容は異なりますが、多様多種なアイテムの洗浄に対応した店舗が多いのが特徴です。
漂白剤でも落とせない汚れや、作業がよくわからなくて困っている方、デリケートな素材の衣類をキレイにクリーニングしたいと考えている方は、宅配クリーニングを選んでみましょう。