クラッターコアファッションとは、柄物やアクセサリー、思い入れのある小物を重ね、持ち主の趣味や記憶が詰まった装いを作るファッションスタイルのことです。
身に着ける物の多さで自分の物語を見せるスタイル

クラッターコアは、ネックレス、ブローチ、缶バッジ、バッグチャーム、柄物、古着などを重ね、情報量のある装いを作るスタイルです。一見すると雑多に見えますが、単に装飾を増やすのではなく、好きな作品、旅先の小物、手作り品、古着など、持ち主にとって意味のある物を集める点に特徴があります。
色や年代を完全にそろえず、異なる趣味や記憶が一つの服装へ積み重なっていることが魅力です。整然とした高級感より、生活感、収集癖、私物らしさが表れます。
古着を使った街着、アートイベント、ライブ、SNS撮影などで取り入れられます。服そのものより、何を選び、どのように身に着けているかが人物像を伝えるテイストです。
クラッターコアを成立させる五つの重なり
長さの異なるアクセサリー
短いチョーカー、中くらいのネックレス、長いペンダントなどを重ね、首元に奥行きを作ります。同じ素材で統一するより、ビーズ、金属、紐などを混ぜることで私物を集めた印象が生まれます。
缶バッジ・ブローチ・ワッペン
ジャケット、ベスト、バッグなどへ複数取り付け、好きな作品や関心事を見える形にします。単なる装飾ではなく、持ち主の趣味を伝える役割があります。
異なる柄をつなぐレイヤード
チェック、花柄、ボーダー、総柄などを重ね、平面的な服装へ情報量を加えます。柄の中に共通する色が一つあると、雑多な印象を残しながら全体をつなげられます。
チャームを付けたバッグ
キーホルダー、ぬいぐるみ、リボン、チェーンなどをバッグへ集め、持ち歩くコレクションのように見せます。服を控えめにしても、バッグだけでクラッターコアの密度を表現できます。
古着と手作り品の組み合わせ
年代の異なるカーディガン、スカート、スカーフなどへ、ビーズアクセサリーやリメイク小物を加えます。新品だけでは出にくい不ぞろいさが、個人的な履歴を感じさせます。
部屋に飾るコレクションが服へ移った背景
クラッターコアは、もともと本、写真、雑貨、ぬいぐるみなどを空間へ密度高く飾るインテリアの美学として、2020年代初頭のSNSで注目されました。
背景には、白い壁と少ない家具で整えるミニマルな空間への反動があります。物を減らすことだけを理想とせず、自分が大切にしてきた品を見える場所へ置き、個人の記憶や趣味が感じられる空間を肯定する考え方です。
その感覚がファッションへ広がると、アクセサリーを一つに絞るのではなく、集めてきたネックレス、缶バッジ、チャーム、古着などを同時に身に着ける表現へ変わります。
流行の商品で全身を統一するより、異なる場所や時期に手に入れた物を積み重ねるため、完成形は着る人によって大きく異なります。特定ブランドの制服型を持たないことも、このスタイルの特徴です。
収集と装飾を象徴する人物・ブランド・文化
アイリス・アプフェル
大ぶりの眼鏡、複数のネックレス、ブレスレット、柄物などを重ねた装いで知られます。クラッターコアという名称以前から、収集した物を個性として身に着ける姿勢を示した存在です。
Anna Sui
異なる年代の柄、レース、装飾、ロックやボヘミアンの要素を混ぜ、統一しすぎない豊かな世界観を表現してきたブランドです。
Collina Strada
鮮やかな色、複数の柄、手作り感のある装飾などを用い、自由な重ね着や再構成を考える際の参考になります。
Susan Alexandra
カラフルなビーズバッグやアクセサリーを展開し、クラッターコアの中でも玩具のような小物を重ねる方向と接しています。
原宿ストリートファッション
缶バッジ、ヘアピン、キャラクター小物、古着などを自由に組み合わせる文化は、クラッターコアと共通する装飾の発想を持っています。
ハンドメイド・リメイク文化
既製品だけでなく、ビーズ、ワッペン、刺繍、古布などを使って小物を作り替える文化が、個人の履歴を感じさせる装いを支えています。
クラッターコアと近い装飾系テイスト

色、柄、素材、アクセサリーを大胆に重ね、視覚的な豊かさを見せる広いスタイルです。クラッターコアはその中でも、持ち主にとって意味のある私物やコレクションを重視します。

カラフルなヘアピン、アクセサリー、キャラクター小物などを大量に重ねる日本のストリートスタイルです。クラッターコアより原宿文化との関係が明確で、明るい色や顔まわりの装飾が中心になります。

原色、玩具、ビーズ、子ども向けキャラクターなどで、幼い頃の楽しさを表すスタイルです。クラッターコアにも玩具は使われますが、子ども時代のモチーフだけに限定されません。

カラフルな古着、クロシェニット、ビーズアクセサリーなどを使うSNS発のポップなスタイルです。クラッターコアより軽快で、一定の色彩や古着感にまとまりやすい傾向があります。

絵画、色彩、古着、トートバッグなどを組み合わせ、芸術を好む人物像を表します。クラッターコアでは芸術に限らず、音楽、旅行、キャラクターなど多様な趣味を同時に見せられます。

派手な色や人工的な素材、あえてチープに見える装飾を楽しむスタイルです。クラッターコアと雑貨的な小物は重なりますが、キッチュは物への個人的な思い入れを必要としません。

渋いニット、柄シャツ、古着、小物などを自由に混ぜるスタイルです。クラッターコアほど装飾を大量に重ねず、祖父のワードローブを思わせる服選びが中心です。

歪んだグラフィックや意味不明なモチーフによって、不気味な違和感を表すスタイルです。情報量は共通しますが、クラッターコアでは奇妙さより、収集した物への愛着が核になります。
ごちゃつきを偶然に見せない組み立て方
クラッターコアでは、最初に服装の中心となる収集物を決めます。ネックレスを主役にする場合は、長さや素材を変えて重ね、服は無地や小さな柄にすると、首元のコレクションが読み取りやすくなります。
バッグへチャームを多く付ける場合は、服のアクセサリーを少し減らします。全身のすべてを同じ密度にするより、首元、バッグ、腰まわりなど、装飾が集中する場所を作ることが重要です。
複数の柄を使う場合は、共通する一色か、花、星、動物などの共通モチーフを持たせます。まったく関係のない柄を同じ強さで並べると、クラッターコアではなく、偶然まとまらなかった服装に見えやすくなります。
日常着として抑える場合は、無地のジャケットやデニムを土台にし、缶バッジ、スカーフ、チャーム付きバッグなど、一つの場所へ私物を集めます。
華やかに見せる場合も、新しい装飾品を一度に買い足すより、すでに持っている小物を色や思い出で分類して重ねるほうが、クラッターコアらしい個人性を保てます。
物の多さだけで判断しないための注意点
マキシマリストファッションと同じ意味である
マキシマリストは視覚的な豊かさを広く指します。クラッターコアでは、装飾品の量だけでなく、持ち主の趣味や記憶が読み取れることが重要です。
何でも付ければクラッターコアになる
関係のない物を無計画に増やすだけでは、服装の中心が見えなくなります。色、題材、思い出など、物同士をつなぐ理由が必要です。
派手な色を使わなければ成立しない
ブラウン、ベージュ、黒などの落ち着いた配色でも、古いブローチ、スカーフ、ネックレスを重ねれば成立します。色彩より収集と密度が中心です。
アクセサリーを大量に購入するスタイルである
新しい物を増やすことが目的ではありません。古着、旅先の小物、手作り品など、すでに持っている物を見える形で活用できます。
装飾の多さを全身へ均等に広げる必要がある
全身を同じ密度にすると、マキシマリストや舞台衣装へ近づきます。装飾を集める場所と、何も置かない場所の差が、重なりを見やすくします。
関連タグ
- マキシマリストファッション
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