いつも着ていたお気に入りのニットが、いつの間にか伸びてしまった…
伸びたニットは適切な対処方法であれば、元に戻すことができます。
もちろんプロにお任せするのではなく、自分自身で知識があれば修繕することは可能です。
セルフケアでニットの伸びを元に戻したい!
と考えている方は、これから説明する方法を参考にしてみて下さい。
Contents
ニットやセーターが伸びる原因を考察
ニットやセーターが伸びる主な原因は、その編み構造にあります。
ニットやセーターは、糸をループ状に絡ませて作られており、このループが多数つながって柔軟性のある布地を形成しています。
この編み構造の特性に加え、外的要因による理由で伸びやすくなっています。
ニットが伸びる原因
- 編み目の柔軟性
- 重力の影響
- 湿気と熱
- 糸の質
- 着用方法と保管方法
網目の柔らかいニットはハンガーにかけるだけで伸びる
ニットの編み目は非常に柔軟で、小さな力でも簡単に形を変えることができます。
重さや動きによって編み目が引き伸ばされると、元に戻りにくくなることがあります。
着用中や吊るして保管しているときに、重力によって編み目が徐々に引き伸ばされます。
特にセーターの場合、長時間の着用によって、肩や腕、胴体の部分が伸びやすいです。
湿気や熱でヨレヨレになってしまう
水や湿気、熱によって糸が膨張したり縮んだりし、その結果、編み構造が緩んで形が変わりやすくなります。
洗濯や乾燥の方法が不適切だと、特に伸びやすくなります。
糸の種類によっても伸縮性は異なります。
例えば、天然繊維よりも合成繊維の方が伸びにくい傾向がありますが、ウールのような天然繊維は温かみがあって伸縮性に富んでいます。
引っ張ったり、無理に伸ばしたりする着脱方法や、吊るして保管するなどの間違った保管方法も、ニットやセーターが伸びる一因です。
着用時の扱いや保管方法で伸びてしまう
ニットやセーターの伸びを防ぐためには、正しい洗濯と乾燥の方法を守り、折りたたんで保管することが推奨されます。
また、着用時には無理に引っ張らないようにすることも大切です。
ニットは気軽に着ることができますし、低価格で手に入りやすいアイテムですので、つい乱雑に扱ってしまいがち。
型崩れせず、買った時のデザインそのままをなるべく維持するためにも、日頃の丁寧な扱いが大切になります。
伸びたニットを元に戻す簡単な対処方法
伸びてしまったニットやセーターを元に近い状態に戻すには、いくつかの方法があります。
簡単でポピュラーな対処方法をまとめましたので、参考にしてみて下さい。
水洗いと形の調整
ニットは水洗いを丁寧に行う事により、以前の形に近づけることができます。
手洗いは少し面倒な工程となりますが、手順は簡単ですので試してほしい方法です。
手洗いは自分で強度や洗剤の量を調整することができます。
洗濯機が伸びる原因の一つにもなり得ますので、ニットの伸びが気になる方は手洗いを実践してみてはいかがでしょうか?
スチームアイロンを使った方法
スチームアイロンは意外なほど低価格で手に入ります。
高性能のスチーマーを使用する必要は無く、リーズナブルな価格のものでも十分に効果を発揮してくれます。
ライトに使えますし、しわ伸ばしの必須アイテムでもありますので、一家に一台置いておきたいところ。
スチームアイロンは使い方がとても簡単です。
手に入れやすいので、こちらも是非実践してみて下さい。
ドライヤーを使う
羊毛などの動物繊維は、水に濡れると縮む性質があるので、その性質を利用することで元に戻ります。
この時、生地から5㎝~10㎝程離してください。
ドライヤーの熱が近すぎると、生地にダメージを与えてしまう可能性があります。
また、濡れた状態でハンガーにかけてしまうと再び伸びてしまいますので、必ず平置きにしてドライヤーをあててくださいね。
タオルの上に置いて広げると、余分な水分を吸収してくれるのでおすすめです。
おしゃれ着洗剤を使う
エマールなどのおしゃれ着洗剤は、よれて伸びてしまったニットやセーターを元に戻す効果があります。
おしゃれ着洗剤は、柔軟剤と似ている働きをしてくれるので、柔軟剤を入れる必要はありません。
タンブラー乾燥にかける
綿やリネンなどの天然繊維は、乾燥機にかけることで形が元に戻るといった特徴があります。
ただし、あまり長い時間乾燥機に入れてしまうと、繊維にダメージを与えたり、逆に縮んでしまう原因となります。
様子を見ながら乾燥させましょう。
タンブラー乾燥の注意点!
羊毛などの動物繊維は、タンブラー乾燥にかけるとフェルト収縮を起こしてしまいます。
フェルト収縮とは、繊維がどんどん絡まることで目詰まりを起こし、フェルトのようにギュッと縮んでしまう現象のこと。
一度フェルト収縮を起こしてしまうと、元に戻すことは大変困難です。
そのため、フェルト収縮を起こして固くなったニットやセーターは、元に戻すことは出来ません。
ウール製品の場合は冷水で優しく
ウール製品の場合、特に注意が必要です。
ウールは水分と熱によって縮む性質があるため、冷水でやさしく押し洗いし、形を整えてから乾燥させること重要です。
扱いがよりデリケートになりますので、日頃から管理をしっかり行う事が大切です。
注意点
- ニットやセーターを乾燥機にかけるのは避けてください。熱によって縮んだり、さらに伸びたりする可能性があります。
- 伸びた部分が局所的である場合は、その部分のみに水をスプレーして、手で優しく形を整えるという方法もあります。
- 高価なニットやデリケートな素材の場合は、プロのクリーニングサービスに相談することをお勧めします。
ニットの伸びを元に戻す方法は、状態や素材によって結果が異なるため、自己責任の上で試してください。
また、実際に試す前に、目立たない小さな部分でテストを行うことをおすすめします。
伸びたTシャツはニットを元に戻す方法とは少し異なる
伸びてしまったTシャツを元に戻す方法は、ニットを元に戻す方法と似ていますが、Tシャツは通常コットンやコットンブレンドで作られているため、異なるアプローチが必要な場合があります。
洗濯と乾燥
ヨレヨレになったTシャツやその他衣類を選択する際は、洗濯ネットに入れることをおすすめします。
洗濯機の中で他の衣類と絡んだ場合、更にヨレヨレになる可能性があります。
伸びやすいニットと比較すると、工程に関しては簡単です。
アイロンを使用する
最も効率の良い方法と言えば、やはりアイロンを使用することです。
普段は日常で着る服にアイロンをかけることは少ないという方も多いと思います。
ヨレた服はアイロンの熱が効果的ですので、試してほしい方法です。
ただし、素材によってはアイロンが使用できない場合がありますので、洗濯表示を確認して使用するようにしましょう。
ドライヤーの熱と湿気を使う
昔から、服のよれを元に戻す方法として利用されてきた方法が、ドライヤーを使用する方法です。
ドライヤーは家庭には1台はあるものだと思いますので、誰でもできる方法の一つです。
ドライヤーを使用: Tシャツを軽く湿らせた後、ドライヤーで温風を当てながら、手で布地を軽く引っ張って形を整えます。
この方法は衣類のみならず、網戸の伸びを元に戻す方法にも活用されます。
他の方法が難しいなと感じた場合は、ドライヤーを使用したよれを元に戻す方法を試してみて下さい。
縫製で調整
どうしても元に戻らない場合は、強制的な方法を利用するのも一つの手と言えるでしょう。
伸びた部分が大きい場合や特定の箇所だけが伸びてしまった場合は、縫い直してサイズを調整する方法があります。
これはミシンが使える方や裁縫が得意な方に適しています。
知識と経験が無いと難しい方法ですが、裁縫が得意であれば試してみる価値はあります。
いずれの方法を用いたとしても、Tシャツが完全に元の状態に戻るとは限りません。
特に高価なアイテムや大切な衣類の場合は、プロのクリーニングサービスを利用することをおすすめします。
自分で伸びやよれを元に戻す方法に関するメリットとデメリット
伸びた衣類の自宅での修復を試みることには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
それを踏まえたうえで自分でやってみると良いでしょう。
メリット
- プロのクリーニングや修理サービスに頼るよりもコストを抑えられます。
- 自宅で処理するため、衣類をクリーニングに出して戻ってくるのを待つ必要がありません。
- 衣類のメンテナンスについて学ぶ良い機会になり、将来的に同様の問題を自分で解決できるようになります。
- 新しい衣類を購入する代わりに既存の衣類を修復することで、ゴミを減らすことができます。
特にコスト面においては、自分でやる限り最も安上がりです。
こうした修繕の経験をすることで、以降の同様の対処にも活きてきます。
デメリット
- 修復のプロセスで衣類をさらに損傷させる可能性があります。
- セルフケアは時間と労力を要します。忙しい人にとっては不便である可能性があります。
- プロの修理に比べて、自宅でのケアは衣類を完全に元の状態に戻すことが難しい場合があります。
- すべての伸びや損傷を自宅で修復できるわけではなく、特にデリケートな素材や複雑な構造を持つ衣類は専門家の手を必要とすることがあります。
セルフケアは、小さな修復や一時的な解決が必要な場合に有効ですが、高価な衣類や大切にしているアイテムには、専門家のサービスを利用した方が安心かもしれません。
また、試みる前に、メーカーのケアラベルを確認し、推奨される洗濯やメンテナンスの方法に従うことが重要です。
自分でもできるけど、失敗の可能性もあることを念頭に置いて
ニットの伸びやシャツのよれは、セルフケアで元に近い状態に戻すことが可能です。
しかし、プロではない自分自身でこの工程を行う場合は、失敗のリスクがあることも念頭に置いておいてください。